分析項目の紹介

■総ポリフェノール濃度分析

 ポリフェノールは、ほとんどの植物に含有され、現在明らかになっているだけで数万種類以上存在します。 活性酸素を除去する抗酸化物質と定義され、がんや動脈硬化などの生活習慣病発症と酸化ストレスとの関与が あきらかになるにつれ、ポリフェノールに様々な作用、効果があるのではないかといった報告が多く見られるように なりました。近年、5大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)に次ぐ栄養素として注目され、 健康食品として多くの食品が開発されています。 ポリフェノールの定量には、一般的に酒石酸鉄法、フォーリンチオカルト法、フォーリンデニス法が用いられます。 酒石酸鉄法は緑茶ポリフェノールの準公定法であり、フォーリンチオカルト法とフォーリンデニス法は、 いずれもフェノール試薬を用いる吸光光度法で、フォーリンチオカルト法は茶葉や茶飲料のポリフェノール総量の分析法として ISOの公定法に、また、フォーリンデニス法はワインや蒸留酒のタンニン分析法としてAOAC Internationalの公認法になっています。 当センターでは、フォーリンチオカルト法により総ポリフェノール濃度を没食子酸換算濃度 (mg gallic acid / 100 mLまたはmg gallic acid / 100 g)として測定を行っています。

■ORAC(AOU)分析

 ORAC (Oxygen Radical Absorbance Capacity)とは、 米国農務省と国立老化研究所の研究グループが中心となって開発した食素材の「活性酸素吸収能力」の評価方法のことで、 ORAC値が高いほど活性酸素吸収能力(抗酸化力)が高いということになります。 アメリカでは、ORAC値を表記した食品が既に販売されており、その食品がどのくらいの抗酸化力があるかどうかを具体的な数値で表しています。
国内においては、Antioxidant Unit研究会がORACに準じた食品の抗酸化力に対する統一化した指標(AOU:Antioxidant Unit) の確立を進めており、近日一般公開される予定になっています。当センターでは親水性ORAC(H-ORAC)(国内指標AOU-P)について分析を行います。

■アントシアニジン分析

 ポリフェノールの中でもアントシアニンは、プルーベリーやブドウに多く含まれ、非常に強い抗酸化作用をもつことから、 生体内での酸化ストレスを抑制する食因子あとして近年注目され、多くの保健機能食品が販売されています。
 アントシアニンは600種類以上存在するためその分析は困難ですが、そのアグリコン型(構造に含まれる糖や有機酸を切断した基本構造) はアントシアニジンと呼ばれ主要な6種類を定量することにより、アントシアニン量を概算することができます。
 当センターのアントシアニジン定量システム(UPLCシステム)により、素材中または加工品(飲料、加工食品)中の6種類の アントシアニジンの定量を行います。

■レスベラトロール分析

 レスベラトロールは、抗酸化機能を有するポリフェノールのひとつで、ブドウの果皮やピーナツの渋皮に含まれ、 特に赤ワインには豊富に含まれています。
2006年に米国ナーバード大学と米国立老化研究所の研究者により、マウスを用いた研究において、レスベラトロールを摂取する ことによって、寿命が延びること、グルコースとインスリンの血中濃度が低下することが報告され、 近年、栄養補助食品(サプリメント)として多くの商品が販売されています。
 当センターでは、アントシアニジン定量システム(UPLシステム)を用いて、アントシアニジン分析とあわせて レスベラトロール分析も行っております。

■ポリフェノールプロファイル分析

 ポリフェノールは、フラボン類、イソフラボン類、カテキン類、アントシアニン類など6000種類以上存在します。 例えば、大豆にはダイゼインとゲニステイン、タマネギにはケルセチンといったように各素材に含まれる主たるポリフェノール成分は 限られています。また、最近「黒い野菜」が話題になっているように、この場合アントシアニンを含有するようになった結果ですが、 品種改良や突然変異などにより異なった形質が導入され、本来含有していない成分が含まれるようになる場合も見られます。 この場合も、限られた成分が増加するだけで、大幅にその組成を変えることはありません。しかしながら、その含量は、 気候、土壌、栽培方法など、様々な要因により大きく異なります。そこで、当センターでは素材に含まれる主たるポリフェノール成分を 網羅的に分析し、その組成を明らかにし含有量を定量いたします。
 当センターでは、マルチチャンネルクーロアレイHPLCシステムにより約30種類のポリフェノール成分について高感度、高精度な分析を行います。 今後も、対象となるポリフェノール成分を増やし、多くの素材に対応できるようなシステムへとバージョンアップを進めます。


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