食のアイコンとは

旭川市教育委員会に協力して頂き、学校給食の献立をもとに、大人2人分の材料と家庭での作り方を示しました。栄養成分には一人分のエネルギー、たんぱく質、脂質、カルシウム、食塩相当量を示しています。しかし、数値だけでは栄養バランスが良いのかどうかが分かり難いのではないかと思います。そこで、栄養バランスに加え、機能性(抗酸化価)を分かりやすく「食のアイコン」で示しました。三大栄養素である炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質のエネルギー構成比を円グラフの内側に色分けています。炭水化物(糖質)(オレンジ色)が50-65%、たんぱく質(赤色)が13-20%、脂質(黄色)が20-30%がベストと言われています

食のアイコンで注目してほしいのは外側の円グラフです。これは抗酸化機能分析研究センターで道産農産物の機能性をAOUという数値で表した抗酸化価を使っています。抗酸化価が高いほど、身体の中で老化や疾患の原因になるといわれている活性酸素を除去する働きが強いことを意味します。一般に1日に必要な抗酸化価は4700AOUと言われていますが、根拠となる論文などがみつかりませんでした。そこで抗酸化機能分析研究センターで抗酸化価に関する論文を検索したところ、野菜の抗酸化価は日本人の摂食量を考慮すると野菜1g当たり6.95AOU、果物では1g当り12.23AOUになるという論文を見つけました1)。厚生労働省で推奨されている1日の摂取量は野菜で350g、果物で200gです。そこで野菜350gと果物200g分の抗酸化価を計算すると1日に必要な抗酸化価は4879AOUになります。つまり、1日4879AOUの食事をすると、栄養バランスが改善されるということです。そこで、一食分にした1626AOUが充足できるかを知るために、献立から抗酸化価を計算し、一食に必要な抗酸化価に対する割合を円グラフに示しました。緑色の部分の多い食事を続けることで、健康な食生活を送ることができます。 1) 竹林ら,ビタミン, Vol.87, 274-276 (2013)

食のアイコン例

注意 牛乳やオレンジなどに抗酸化価が示していませんが、抗酸化がないわけではありません。
食のアイコンは抗酸化機能分析研究センターで分析した道産の農産物の抗酸化価から計算しているため、乳製品の牛乳や輸入のオレンジなどには抗酸化価を示していません。